「ノロノロした人」にイライラしたら負け。元パイロットが教える、他人の「もたつき」を華麗にスルーする技術

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「ノロノロした人」にイライラしたら負け。元パイロットが教える、他人の「もたつき」を華麗にスルーする技術

そのイライラ、あなたの「負け」です

朝の通勤ラッシュ、駅のホームをスマホを見ながらノロノロと歩く人。 コンビニのコピー機の前で、いつまでも操作が終わらない人。 ATMで用が済んだはずなのに、そこから財布の整理を始める人。

こうした日常の「詰まり」に遭遇したとき、ついカッとなってしまうことはありませんか? 「早くしてくれ」「周りを見てくれよ」 そのイライラは、あなたの心拍数を上げ、表情を険しくし、せっかくの朝の気分を台無しにします。

しかし、はっきり申し上げます。 そこでイライラしてしまったら、あなたの「負け」です。

なぜなら、相手のペースに巻き込まれ、あなたの貴重なメンタルリソースを、見ず知らずの他人のために浪費させられているからです。

私たちパイロットも、フライト中に多くの「遅れ」や「理不尽」に遭遇します。 滑走路の混雑、管制官からの待機命令、整備による出発遅延。 しかし、コックピットで舌打ちをする機長はいません。

なぜなら、「怒りは視野を狭くし、判断力を奪い、自分自身を墜落させること」を知っているからです。

機長(キャプテン)の威厳とは、声を張り上げることではありません。 「どんなトラブルも、想定内として涼しい顔で処理する静けさ」のことです。

今回は、元パイロットの視点から、日常の「遅い人」や「配慮のない人」に遭遇しても、絶対に負けない(動じない)ためのメンタル術をお伝えします。


【Case 1】 コンビニのプリンターを占領する人

~「待つ」という業務を遂行する~

マルチコピー機の前で、操作に手間取っている人がいます。 何度もエラー音をさせ、首を傾げている。 あなたは後ろで「店員を呼べよ」とイライラを募らせます。

この時、あなたの視線は「前の人の背中」という一点に釘付けになっています。 「自分のルート(早く印刷して店を出る)」が塞がれたことに固執しているからです。

パイロットの視点:今は「待機」が正解である

空港が混雑していたり、滑走路が閉鎖されている時、私たちは上空で何十分も待機(旋回)させられることがあります。 そんな時、未熟なパイロットは「燃料が減る」「到着が遅れる」と焦ります。 しかし熟練の機長は、こう考えます。

「今は、何も動かないことが仕事だ」

前の人が詰まっている状況は、いわば「悪天候による滑走路閉鎖」です。 あなたが後ろで貧乏ゆすりをしても、天候は回復しませんし、前の人の操作は早くなりません。むしろ、あなたのプレッシャーを感じて余計にミスをするかもしれません。

ここでイライラするのは、悪天候に向かって「晴れろ!」と叫ぶようなもの。無意味であり、エネルギーの無駄です。

動じないためのアクション

イライラしたら、まず物理的に視線を外してください。 スマホを見る、雑誌のラックを眺める、あるいは深く深呼吸をする。

「待たされている」と思うから腹が立ちます。 「今は、神様がくれた数分間の休憩時間(待機命令)だ」と捉え直すのです。

前の人がようやく終わり、バツが悪そうに(あるいは無愛想に)こちらを見た時、涼しい顔で軽く会釈をして交代する。 その余裕こそが、器の大きい大人の振る舞いです。

もしあなたが「あと2分でプリントしないと会社に遅刻する」という緊急事態なら、そこに留まるのはリスク管理ミスです。すぐに店を出て、別のコンビニ)へ向かう決断をしてください。これが機長の判断です。


【Case 2】 ホームをゆっくり歩く人

~乱気流には近づかない~

駅のホーム。スマホを見ながらフラフラと歩く人。 抜くに抜けない狭い通路で、あなたの歩くリズムは完全に乱されます。

この時、多くの人はイライラして相手の背後にぴったり張り付いてしまいます。無言の圧力をかけ、「早く行け」と念を送るのです。 しかし、これはパイロットの視点から見ると「一番危険な行為」です。

パイロットの視点:安全な距離(セパレーション)

空の上では、前の飛行機に近づきすぎると、相手が作った空気の乱れ(乱気流)に巻き込まれ、こちらの機体まで揺れてしまいます。 だから私たちは、相手がフラフラしている時ほど、あえて距離を取ります。

イライラして近づくのは、自ら乱気流に突っ込むようなもの。 相手の「悪いリズム」に、自分の「良いリズム」を同調させる必要はありません。 相手のペースに合わせてイライラしている時点で、あなたは主導権を奪われている(=負けている)のです。

動じないためのアクション

相手が遅いと感じたら、あえて歩調を緩め、3メートル以上の距離を空けてください。 不思議なことに、距離を取るとイライラは消えます。 「相手に合わさせられている」状態から、「自分で自分の速度を決めている」状態に戻れるからです。

もし急いでいるなら、無言でプレッシャーをかけるのではなく、 「すみません、通ります」 と、よく通る低い声で宣言してサッと追い抜く。

相手に「気づいてもらおう」と期待するのではなく、自分でコントロールできる「自分の進路」だけを見るのが鉄則です。


【Case 3】 ATMの前から動かない人

~「予備燃料」を心に積んでおく~

お金を下ろしたのに、その場で財布をしまい、バッグの中を整理し始める人。 後ろに並んでいるあなたの存在など、目に入っていないようです。

ここで「早くどけ!」と心の中で叫ぶのはやめましょう。 なぜイライラするのか。 それはあなたが、**「前の人がスムーズに終わるはずだ」**というギリギリの計画で動いているからです。

パイロットの視点:想定外を織り込む

私たちはフライトに出る時、必ず余分な燃料(予備燃料)を積んでいきます。 「何かあれば、目的地を変更してもいいし、遠回りしてもいい」 その「余白」があるから、トラブルが起きても冷静でいられます。

日常生活でも同じです。 「前の人がスムーズに動くとは限らない」「機械が故障するかもしれない」 最初からそう思っていれば、トラブルは「想定内のイベント」に変わります。 ギリギリで生きているから、他人の些細な遅れが許せなくなるのです。

動じないためのアクション

前の人が動かない時、それを凝視してはいけません。見れば見るほど粗が目につきます。 ここでも視線を切り、天井や自分の手元を見つめ、姿勢を正して待ちます。

彼らは、周りが見えていない「余裕のない人」です。 そんな相手と同じ土俵に立ってイライラするのは、自分の品格を下げる行為。

「準備万端で待機する」という姿勢を保ち、空いた瞬間に颯爽とATMの前に立つ。 その「静かなる威圧感」こそが、ダラダラしていた相手に対する最も効果的なメッセージになります。


【結論】 機長は「同じ土俵」に立たない

3つのケースに共通する「機長のマインド」があります。 それは、「相手のレベルに合わせて、自分の品格を下げない」ということです。

イライラして舌打ちをした瞬間、あなたは「マナーの悪い相手」と同じレベルの人間になってしまいます。泥仕合をしている相手と同じ泥の中に降りていくようなものです。

あなたは、自分の人生というフライトの機長です。 あなたのいるべき場所は、そんな泥の中ではありません。もっと高い、静かな場所です。

「可哀想な乱気流だ」と思う

次にイライラする人に遭遇したら、心の中でこう呟いてください。

「ああ、彼は乱気流だな」

彼は、周りが見えていない。効率的な動きができない。 それは彼自身の能力不足や、余裕のなさから来ている「悪天候」です。 そんな悪天候に対して、いちいち腹を立てて雷を落とそうとする必要はありません。

ただ、避ける。 避けられないなら、揺れが収まるまでシートベルトを締めて待つ。 そして、通り過ぎたらすぐに忘れる。

相手を変えようとせず、自分の心の操縦桿だけをしっかりと握る。 それが、あなたの心の平穏を守り、負けない自分を作る唯一の方法です。


【結章】 今日のフライト・プラン

明日から、家を一歩出たら、あなたは**「機長」**になってください。

駅のホームは駐機場。 オフィスや目的地は、フライトのゴールです。

その道中には、運転の下手な人や、要領の悪い人、予測不能な天候(迷惑な他人)がたくさんいるでしょう。 しかし、あなたはそれらに動じない。

ATMで待たされても、「フライトプランの修正が必要だな」と冷静に時計を見る。 歩くのが遅い人がいても、「乱気流あり。距離をとって回避」と判断して、ゆっくり歩く。

その余裕ある振る舞い。 決して声を荒げず、常に穏やかな表情で状況をコントロールする姿。

それこそが、周囲の人が密かに憧れる「本物の威厳」なのです。

さあ、今日も姿勢を正して。 良いフライトを

 Gooday

-空の知恵(LIFE SOP)